管理会社と管理組合がWin-Winの関係になるために

管理会社への不満はよく聞かれます。掃除が不十分、対応が遅い、報告がない、管理費が高い、管理人の態度が悪いなど、クレームの種類は多岐に亘り、そして一つ一つのクレームの根深さに、理事の皆さんのテンションが一気に下がってしまうのではないかと思います。しかし、不思議と通常総会では何の問題も無く、次年度も引き続き同じ管理会社さんへ管理をお願いする予算案が通ります。なかなか管理会社さんと本当の意味でWin-Winな関係になるのは難しそうです。

通常総会で、胸を張って 『だから来年も同じ管理会社に管理をお願いするのです』 ということを言うために、下記のような施策はどうでしょうか。
① 前年度評価に対して、改善策を立てていただく
② 第三者機関により管理組合活動の評価を受ける
③ 管理業務の業務監査を行う

1.前年度評価に対して、改善策を立てていただく

管理会社を理事全員で評価し集計します。評価シートは管理会社から理事長宛に年度の終わり頃に提出依頼のあるアンケートがよいと思います。フロントマンの項目、管理員の項目、管理会社としての項目があります。評価点の平均と評価内容(レスポンスが遅い、提案力が欲しい等)をまとめ、それをもとに管理会社に改善提案を検討していただきます。

改善提案に納得すれば、その改善提案に対してどのような対応をとったかを理事会で報告していただきます。3ヶ月おきにフロントマンの上司からもコメントをいただければ、組織として対応して頂いているという安心感も生まれます。改善前の理事全員の評価が実際の改善につながった場合は、信頼関係も生まれてきます。

2. 第三者機関により管理組合活動の評価を受ける

第三者機関の管理組合活動評価には、日本マンション管理士会連合会の 『マンション管理適正化診断サービス』 があります。管理項目が19項目、他に月次報告帳票や法定点検の実施状況、長期修繕計画表、修繕工事実施状況などをチェックします。

この評価により、管理業者として正しく管理組合をリードしているかが分かります。診断時に必要な資料がパンフレットにあらかじめ明示されています。竣工図書など揃っていますでしょうか。それを見て自マンションで揃えられるかどうかを確かめることも有効です。

3. 管理業務の業務監査を行う

管理会社への不満の多くが、「管理会社がやるべき事をやっていない」 というものです。本当にやっていないのであればやってもらわないと、払っている費用が無駄になってしまいます。 “本当にやっていない” とはどういうことか、やはりそれは契約書どおりにやっていない、ということだと思います。そのことをはっきりさせるために、業務監査を企画し実施します。
・実施対象:月次報告帳票、管理委託契約書・別表(重要事項説明会資料)
・監査指針:PDCAが回っているか、管理組合とのコミュニケーション(報連相)は適切に行われているか

業務監査は1日3時間で3日間程度かかります。月次報告帳票は理事長のところに毎月送られてきているものを使用します。重要事項説明会資料は前回通常総会前に配布されている資料(最新のもの)を使用します。

月次報告帳票の記載ミスや重要事項説明書の記述不明確部分が多く発見されますが、ポイントは管理会社が業者にやらせている業務(清掃業務、植栽管理業務等)をどのように管理し、PDCAを回しているかというところです。フロントマンと管理員の役割分担、場合によっては管理会社の技術部門の方も加わり、管理フローの確認をしてみて下さい。管理組合から一次請けの管理会社が業者に丸投げをせず、責務を果たしているかを確認します。

指摘事項は業務監査報告書としてエクセルにまとめ、管理会社には原因および対応・対策を記入してもらいます。

4. 管理会社といかに付き合うか

上記1から3の実施内容、その結果による対策により管理会社の姿勢、業務内容に理事及び居住者の理解が深まると思います。前年度と同様の方法で理事から得た評価を比較してみて下さい。改善活動が理事や居住者に見える形で実施されている場合は、評価点も上向くものと思います。

居住者の “管理会社を何とかして欲しい” というクレームは無くなることはないのかもしれませんが、理事となった時には、冷静にその実態を把握し対処していくことが求められるものと思います。今マンション管理士になり、形としては管理組合側のサポート役となるわけですが、管理会社と管理組合がともに利益を享受できるような関係を構築できるよう、皆さんと一緒に活動していきたいと考えています。

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